Adobe Acrobat (Acrobat Distiller 5) での入稿について
Adobe Acrobat 5のチェックポイント一覧
Acrobat Distiller 5 でPDFをつくる
Acrobat 5をインストールすることで、Acrobat Distiller 5 も同時にインストールされます。 Acrobat 5 のアプリケーションフォルダ内に「Distiller」フォルダがあり、その中に入っています。PDFにはいくつかの作成方法がありますが、その中の一番基本的で確実な方法である PostScriptファイルを書き出し、それをPDFに変換する方法について説明します。またPDFは用途によって様々な作成オプションがあり、以下の説明は印刷入稿目的のPDF作成に関するものです。
PDF作成手順
PostScriptファイルの作成
Acrobat 5 をインストールすると、プリンタの種類に「Adobe PDF の作成」と「仮想プリンタ」が追加されます。「Adobe PDFの作成」はプリントダイアログから、PostScript書き出し→DistillerでPDFに変換という流れを自動で行おうとするものですが、ここでは「仮想プリンタ」からPostScriptを書き出しDistillerでPDF変換する作業を手動で行う場合の説明をします。
なおこの説明は、Macintosh OS 9でのものです。
以下はIllustrator 8 からのPostScriptファイル書き出し例です。
用紙設定
ページ属性
「プリンタ」に「仮想プリンタ」を選びます。用紙でリストに該当する用紙がない場合は、「カスタムページ設定」で必要な用紙サイズを作ります。
PostScript オプション
「プリントオプション」のチェックはすべてはずします。
カスタムページ設定
希望の用紙サイズがない場合や特別な用紙サイズが必要な場合、ここで新たに作成します。ここでは余白はすべて「0」にしておきます。また「カスタムページ名」は、「ページ属性」タブの「用紙」プルダウンリストから選べるようになります。
仮想プリンタ
「現行PPD」はAcrobat Distiller Jが選択されているか確認します。
プリント範囲を指定したら以下の手順でPostScriptを書き出します。
「ファイル」→「プリント」
一般設定
「プリンタ」に「仮想プリンタ」を選び、「出力先」が「ファイル」になっていることを確認します。
Illustrator 8 のオプション設定
「コンポジット」で出力します。「フォントをダウンロード」にチェックをつける必要はありません。これはフォントをビットマップ化して送信するオプションです。もちろんフォントはすべてアウトライン化しておいてください。
PostScript設定
フォントを埋め込む場合でも、PostScriptファイルを作成とPDF変換が同じMac上で行われる場合には、「フォントデータ」は「なし」にします。
プリンタ固有機能
上記設定でPostScriptを保存してください。PostScriptファイルには拡張子「.ps」がつきます。(Windowsでは「.prn」)
PostScriptファイルをPDFに変換する
Acrobat Distiller 5 を起動します。
「ジョブオプション」に「Press」を選択します。デフォルトで用意されている「Press」というジョブオプションは高解像度出力用によういされたものですが、この設定も画質を落とす「ダウンサンプル」や「JPEG」変換が行われます。画質を落とさない設定に変えるため、このジョブオプションをもとに新しいジョブオプションをつくります。
上図の設定のまま「設定」メニュー→「ジョブオプション」を開きます。ここから新しい設定をつくることが出来ます。
圧縮タブ
上図の様に変更します。
フォントタブ
上の設定は、「すべてのフォントを埋め込む」こと、ならびに埋め込めないフォントが使われていた場合は、変換「ジョブをキャンセルする」ことを示しています。また、埋め込みの方法として、フォントのキャラクタが文書中で100%使用されないかぎり、サブセットとして埋め込みを行う、という設定になっています。
カラータブ
上図のように設定してください。「トランスファ関数」は「適用」または「削除」にします。
詳細設定
「OPIコメントを保存」のチェックははずします。入稿用PDFには高解像度の画像が埋め込まれている必要があります。
デフォルトのジョブオプションは変更出来ないようになっています。「別名で保存」をクリックして、上記の設定を新しいジョブオプションとして保存します。
名前は任意に設定できます。この設定は、Distillerのアプリケーションフォルダ内、「Settings」フォルダに保存されます。
上の画面で、いま作ったジョブオプションを選択します。
このウインドウに先ほど作ったPostScriptファイルをドラッグすると変換がはじまります。フォントのアウトラインがとれていれば、高い確率でエラーになることはないと思いますが、その他配置画像の破損などで作れない場合もあります。
PDF作成後のチェックは充分行って下さい
作成したPDFを開き、充分確認してください。もしプリフライト出来るソフトをお持ちであれば、それらを使って充分にチェックし、確実なデータをご入稿ください。